2018年11月8日木曜日

ブラジル在住の相続人の手続きをサポートする体制を整えました

亡くなったのが日本人で日本で発生した相続だけど、ブラジルに住む日系ブラジル人が相続人となっている場合の手続きをサポートする業務は、はじめた当初は手探りで必要が生じたときに都度、検討を重ねる方法で進めきました。

現在、受任ケースの実績が蓄積されてきたと同時に、徐々にサポート体制を整えることができ、どんなケースもどうぞ!の気持ちでご依頼をお待ちしております。


出生証明書や死亡証明書、婚姻証明書の取得

ブラジルは第三者でも証明書が取得できます。当事務所ではブラジルの提携先と協力して、必要な書類を登記所(Cartoio カルトリオ)で取得します。身分事項が登記されている登記所が不明な場合は、出生地や両親の名前などから探し出せる場合がありますので、こうしたケースもご相談ください。


 ブラジル国内で行方不明となっている相続人の調査
本人や家族の名前からSNSが判明し、連絡が取れることがあります。また、ブラジルで発行されている日系人向けの新聞への掲載、県人会などに問い合わせて判明することもあります。また、現地ブラジルの提携先と協力して、調査をすることも可能です。


遺産分割協議証明書や裁判所類の翻訳
ブラジル国内の公証役場でサイン証明を受ける際は、ほとんどのケースでポルトガル語の書面が要求されます。ですので、日本語で作られた遺産分割協議証明書をポルトガル語に翻訳し、サイン証明を受けた後は、再度日本語に翻訳し、日本の各所で提出することとなります。
アオヤギ事務所では行政書士自身が翻訳を行っています。


ブラジル案件に実績のある司法書士事務所との提携
ブラジルが絡むケースだからと言って、日本で行う手続きは基本的には変わりません。ただし、ブラジルのどのような書類が必要となるのか、書類が不足する場合にはどのような宣誓書を提出するのか、など、あらかじめ法務局などに相談をして手続きを進めていく必要があります。
当事務所では、相続人個人の方のご依頼の場合で、不動産の相続遺産がある場合には、司法書士に依頼いただき、その司法書士とアオヤギ事務所が進めていく方法をお勧めしています。
ご希望の場合には、当事務所と提携している司法書士事務所をご紹介し、共同でサポートいたします。


ブラジルの相続人との連絡、調整
ブラジルにいる日系人の親族は、多くの場合、日本語が通じません。ですので、ポルトガル語でコミュニケーションを取って、相続関係について丁寧に説明して協力を求めることで、手続き全体がスムーズに運びやすくなります。ブラジルとは時差が12時間あり、日本とは昼夜逆転しますが、メールやメッセージ機能を使えば、効率よく連絡を取ることが可能です。

詳しくは、アオヤギ行政書士事務所のホームページをご覧ください!
http://www.officeaoyagi.sakura.ne.jp/jp-procedure.html

お気軽にご相談ください お問合せフォーム

2018年11月1日木曜日

2種類あるブラジルのサイン証明

 遺産分割協議証明書などの手続きで、印鑑証明が必要となった場合、ブラジルや海外に住んでいる人には日本の自治体に住民票がないので、印鑑登録がありません。

では、どうするか?海外の登記所や公的機関で正式に受けたサイン認証(署名証明、サイン証明)を取得する方法があります。

日本国籍を持つ人であれば日本の出先機関である在外公館でサイン証明を受けることができます。在サンパウロ日本国総領事館とかですね。

日本国籍を持たない、例えばブラジル国籍の人は、現地の公証役場でサイン認証を受けることとなります。この方法は、日本国籍の人でも可能です。

日本の領事館はブラジル国内に7か所しかありません。

多いように思えるかもしれませんが、ブラジルは日本の国土の22.5倍、ありますからね!

公証役場は、一つの行政区に一つはあるので、近くにある場合が多いので、断然、便利かもしれません。

で、ここから本題です。

日本の公証役場でも、私署証書の認証がありますが、日本の場合は面前のみです。

ブラジルの公証役場には2種類のサイン認証があります。

実際、日本の法務局ではどちらのサイン認証も問題なく受け付けられているので、気にする必要はあまりないと思います。

しかし、より厳密な手続きを要求した場合には、公証人の面前で署名をしてもらう方法を取った方が良いかもしれません。

サイン認証(Reconhecimento de Firma)とは、公証登記所で署名者本人の署名であることを、公証人に証明をしてもらうことをいいます。

そのうち、一つの方法は、その署名が登記されている署名と類似性があることを証明する、類似性によるサイン認証 (Reconhecimento de Firma por semelhança) です。

類似性によるサイン認証では、公証登記所で登記されている署名と照合を行った後、書類の署名が登記所に登録されているものと類似していることを証明します。

この方法では、あらかじめ署名した書類を持っていくため、署名した本人がその場にいなくても、第三者が申請することができます。

もう一つの方法は、サインの真実性を証明する 真実性によるサイン認証(Reconhecimento de Firma por verdadeiro)です。

署名者本人が公証登記所に出向いて、公証人の面前で署名することが必須です。さらに、出向いた証明とするために、出頭台帳の記録にも署名をします。

これは、第三者でもサイン認証が取得できる類似性によるサイン署名よりも、厳密な方法と言えます。

日本の法務局と裁判所では、私が扱うケースの経験上、面前によるサイン証明しか認めない、と言われたことはありません。ブラジルに2種類のサイン証明があることに考えが及ばないからかもしれませんが。

なので、この2種類のサインサイン証明の取得の方法は、日本の提出機関対して気にするというより、日本側の利害関係者が、より厳密な手続きを経たい場合に、真実性によるサイン証明を求めると、安心する、ということで、知っておいてもよいと思います。




 

2018年10月26日金曜日

外国の医師が日本の医師国家試験を受けるまで

外国人が日本で医師として仕事をするルートとして、厚労省では、「外国の医学校を卒業し、又は外国において医師免許を得た者」に対して、審査をして認定基準を満たした者については、医師国家試験を受けることができるとしています。

https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/ishi/

日本の大学で医学を修了することは免除されますが、医師国家試験までは免除されません。

まずは、医師国家試験受験資格認定(日本語診療能力調査あり)、または、医師国家試験予備試験受験資格認定(予備試験と1年の実地修練あり)がされたのち、医師国家試験を受けることとなります。

この道のりを乗り越えることができる外国人医師の方は、なかなか少ないのではないでしょうか。

だからこそ、日本で医師として仕事をすることを目指す方を応援した気持ちです。

アオヤギ事務所では、様々な種類のポルトガル語の書類の翻訳を行っていますが、その中に、ブラジルで医師をしていた方が、この日本の医師となるための審査・認定手続きの際に必要となる書類の翻訳をご依頼いただいたことが何度かあります。

卒業証明書や成績証明書、医師として従事していた専門医としての証明書など、多くの書類を厚生労働省に提出する必要があります。

専門用語や略語が出てきて、都度調べているとなかなか大変な作業です。特に泣かされるのが略語ですね。。。でも、この翻訳を元に、厚労省で審査がされると思うと、正確に訳さなければなりません。

日本に住むブラジル人にとって、このようなブラジル人医師がいることは、心強い存在になると思います。

 厚生労働省HP 医師国家試験受験資格認定について

https://www.mhlw.go.jp/topics/2012/05/tp0525-01.html




2018年9月26日水曜日

ブラジルで使われているメッセージアプリ WhatsApp

インターネットや携帯が普及していない時代に青春時代を送り(ポケベル全盛期)、社会人になってからあれよあれよという間に携帯が進化しました。

その都度、追いつきながら仕事にも取り入れてきた世代の私は、今はあまりにも多いアプリの流行にはついていくことができません(笑)

若い子たちがアプリで動画を撮って加工して楽しんでいる姿を見て、何が楽しいのかさえ理解ができないところまで来ています(末期)。

さて、そんな私でも、仕事で必要とあれば導入して使うようにしています。

ブラジルの方と連絡を取ることが多いのですが、時差が12時間あるため、メールやメッセージ機能を主に使っています。

日本ではメジャーとなっているメッセージアプリ LINEですが、ブラジルではほとんど使われていないようです。

その代わりに、WhatsApp というメッセージアプリが主流です。

このWhatsAppは、携帯番号がIDとなるため、携帯番号が分かる相手がこのアプリを利用していれば、メッセージを送ることができます。

WhatsAppはアメリカの会社なので、英語でそのまま、ワッツアップと読みます。

ところがブラジルでは、これをポルトガル語読みで呼ばれるため、ワズァプ に近い発音となります。

ポルトガル語ネイティブではない私にとって、こうした英語由来の単語をブラジル風に発音すると、通じにくいことがしばしばあります。何というか、こちらとしては、英語の発音も頭にあるもんですから、そちらに引っ張られて、ポルトガル語風にできない、というところでしょうか。

ここは、英語の発音は頭から消して、ポルトガル語だと思い込んで読むしかないのですが。。。

他に私が英語由来の単語で通じにくいと思ったのが、E-mail です。

英語では、イーメールですよね。ブラジル風に読むと イーメェウ に近い発音です。

こうした単語、ブラジルの方が高齢の方であればあるほど、おそらくなじみがないのでしょう、通じにくいです。

こうした場合、まずは、インターネットというシステムはご存知ですか、使いますか?というところから話を始めます。

話がそれましたが、このWhatsApp、ラインと同様の機能を持っていて、便利です。

世界では一番、利用者数の多いメッセージアプリのようで、15億人が使っているというデータもありました。すごいですね。

2018年5月9日水曜日

外国人の介護職- 在留資格「介護」の創設と技能実習の対象職種へ 解説

2017年11月から、技能実習の対象職種に介護が加わりました。

それと同時に施行された技能実習保護法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)の中で母国語での相談体制の整備がありますが、私は4月から技能実習機構の母国語相談センターでコーディネーターを務めることとなりました。

技能実習機構は、管理団体や技能実習計画の認定を行います。それと同時に、技能実習生からの違反の申告の窓口となり、現在、9か国語で受け付けている母国語相談センターがその役割を担っています。

技能実習機構 ホームページ http://www.otit.go.jp/ 

今まで、外国人の介護について相談業務で携わることはあまりなかったのですが、近年の日本の人手不足に伴い、注目度が高まると同時に、私が関わることが増えてきたように思います。

下記は、私が所属する東京社会福祉士会の会報誌(2018年2月号)で、社会福祉士向けに特別解説を執筆した外国人の介護分野の受け入れについての部分(一部抜粋)です。


------------------------------------------------------------------------------

介護分野で外国人労働者を受け入れる新たな枠組み

まず、今般の「出入国管理及び難民認定法」(以下、入管法)改正の前、介護分野での外国人労働者受け入れがどういう状況であったかを、ざっと振り返ってみたいと思います。

介護を「単純労働」としてきた入管政策

 ご承知の通り、日本の入管法は、単純労働への就労を根拠とした入国・在留を認めていません。今般の改正以前は、介護労働も単純労働に位置づけられていたため、介護労働を根拠とした就労資格は、そもそも存在しませんでした(かたや「介護福祉士」という国家資格を制度に持ち、国として介護という職業を専門知識及び技能を要する職業であると認めているにもかからず、一方で単純労働扱いしていることには、個人的には違和感を覚えていました)。

 ただ、▽日本人と結婚をした人(在留資格「日本人の配偶者等」) ▽永住を許可された人(在留資格「永住者」) ▽日系二世(在留資格「日本人の配偶者等」) ▽日系三世(在留資格「定住者」)など、職種・業種を問わず就労可能な在留資格を持つ外国人については、介護現場でも一定の就労がありました。その後、リーマンショック(2008年)に端を発した不況で、それまでの職(製造業の工員等)が失われたこともあって、就労が拡大したと推測されます。

 しかし、就労を根拠とした枠組みでの在留資格ではなかったため、「外国人による介護就労」として社会的に注目されることはありませんでした。

 一方、時期を同じくして、EPA(経済連携協定)の一環で、インドネシア、フィリピン、ベトナムから順次、介護福祉士候補者の受け入れが始まります(2008年~)。こちらは、「外国人による介護就労」として注目されることとなりました。

留学生の介護福祉士取得後の在留、技能移転目的の在留

次に、昨年から導入された新たな仕組みについて概説します。

(1)在留資格『介護』の創設
 一つ目が、「在留資格『介護』」の創設です(2017年9月~)。
 すなわち、「日本国内の介護福祉士養成施設を卒業して介護福祉士国家資格を取得した留学生に対して、介護福祉士として介護または介護の指導を行う業務に従事することを可能とするもの」(厚生労働省ホームページ)です。

 介護が単純労働ではなく、専門的知識・技術を伴う労働として認められたものと解せられますが、介護労働に就労すれば無条件で在留が認められるというわけではありません。

 改正後の入管法規は許可の条件として、「養成施設を卒業して、介護福祉士の資格を取得した人」という基準を定めています。つまり、介護福祉士であるだけでは不十分で、「介護福祉士養成施設を卒業して介護福祉士を取得した」人でなければ在留許可の要件に該当しないということです。

 例えば、日本人と結婚して介護施設で働き、3年の実務経験を積んで、国家試験を受け(実
務経験ルート)*1、合格して介護福祉士を取得し、その後、わけあって離婚した外国人がいたとしましょう。この場合、「日本人の配偶者等」という在留資格の基盤が失われますから、引き続き在留を希望する場合には、その他の在留資格に変更する必要があります。しかし当該外国人は、たとえ介護福祉士として第一線で活躍していても、「養成校を卒業していない」という一点を以て、在留資格「介護」への変更が認められません。これまでも多くの離婚者がそうしてきているように、「定
住者」資格への変更する道を探ることになります。
*1 平成28年度試験からは、養成施設等における「実務者研修」の修了が受験資格に追加されています

(2)技能実習制度の対象職種に「介護」追加 
二つ目が、在留資格「技能実習」の対象職種への「介護」の追加です(2017年11月~)。 技能実習という在留資格は、もともと国際貢献の趣旨で、開発途上国等の外国人を一定期間に限って受け入れ、OJTを通じて技能移転を進めるために設けられたものでした(1993年~)。従前は、農業、建設、食品分野などでの作業を担う職種が対象でしたが、今回初めて対人サービスの職種が加わることになったものです。

 あわせて「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)が施行され、監理団体に対する規制強化、技能実習生の保護体制強化、優良な受入れ機関にかかる実習期間延長(最長5年)など、制度全体の拡充が図られました。

 以上の新たな2つの在留資格を含めて、現在、介護現場で就労が可能な外国人の在留資格別の概要をまとめたのが表1です。


介護職への外国人の定着のために 現場からの声として、EPAの枠組みで来日する外国人に対しては介護福祉士資格取得に向けた受け皿がある一方で、表1でいう「身分に基づく資格」に該当する外国人には、なんら言葉の問題等への公的なサポート体制がないことについて、「整合性が取れていない」「公平性を欠くのではないか」との指摘もあります。

彼ら彼女らが介護福祉士取得を目指そうにも、その支援は各介護施設や事業所に丸投げされているというのが現状なのです。

 制度上、縦割りの受け皿整備とならざるをえないのも理解できるのですが、もう少し大きな枠組みでサポートする制度があれば、就労制限がない外国人も含め、日本に暮らす外国人の介護職への定着につながるのではないでしょうか。