ブラジル人の失踪宣告について

ブラジルの渉外相続の手続きをサポートしている行政書士・ポルトガル語翻訳者の青柳りつ子です。 https://www.officeaoyagi.com/

相続手続きを行っていると、行方不明になっている方がいる場合があります。

日本国籍の方であれば、日本の裁判所で失踪宣告や不在者財産管理人の選任を申し立てるなど、手続きの方法があります。

では、ブラジル国内でブラジル人が行方不明となった場合はどうなるのでしょうか。
以下に検討をしてみますが、結論として、確定的な方法はありま。。。せん ^^;
事案ごとに検討が必要となります。

日本の法律「法の適用に関する通則法(通則法)」には、
36条 第三十六条  相続は、被相続人の本国法による。

とあります。
亡くなった人が日本人であれば、ブラジル国内で行方不明となったブラジル人でも日本法で手続きが進められる可能性があります。

「可能性」と書いたのは、実際に家庭裁判所に申し立てを行ってみないと、分からないからです。

もう一つの方法として、ブラジル国内で失踪宣告の手続きを行う可能性について検討してみます。

ブラジル民法典に不在者について定められています。
不在者が死亡推定となるには、2通りあります。

1. 失踪宣告なし → ブラジル民法7条規定。戦地や航空機事故で状況的に死亡の可能性が大きい場合
2. 失踪宣告あり → ブラジル民法6条 自然人の存在は死亡とともに終了する。不在者については、法律で確定相続の開始を許可した場合に推定される。

一般的には、蒸発や家出による失踪ですので、「失踪宣告あり」のケースが多いと思われます。
「失踪宣告あり」の場合、死亡推定に至るまでには、以下の3段階の手続きがあり、最後の確定的な相続開始が許可された時に死亡推定ととなります。

1)不在者の財産管理期:裁判所が不在者の財産を接収、不在者財産管理人を指名して1年間 → 不在者を管轄する登記所に失踪宣告が登記される
2)暫定的な相続の開始期:1)の期間を経過後、暫定的な相続開始となり10年間。
3) 相続確定期:前段階の確定後10年を経過し、確定的に相続手続き → 死亡推定

各段階で裁判所での手続きが必要です。
ブラジルの裁判所は予定通りに進まないのが一般的です。

以上のことから、ブラジル国内で死亡推定まで進めることは、通常は現実的な方法ではないと思われます。

ということで、日本で手続きを進めることを検討するに至ります。

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